10月9日(土)、東京赤坂キャンパスで市民公開講座(茜陵祭記念講演)「新型コロナウイルスワクチン」が開催されました。
今回は、医学部感染症学の矢野 晴美 教授(医学教育統括センター副センター長)が登壇しました。矢野教授は、新型コロナウイルス感染が拡がり始めた昨年2月には、ダイヤモンド・プリンセス号に乗船し、乗客の感染対策等の支援活動に従事し、その後開院した国際医療福祉大学成田病院の国際臨床感染症センターで、感染症診療および感染対策にあたっています。また、今夏行われた東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の理事として感染対策を中心に活動しました。本学による医療協力として診療にもあたりました。
まずは東京五輪・パラリンピックでの感染対策と感染者数についてのお話からです。選手村での感染対策についてなど、橋本聖子会長や関係者と撮られた写真なども交えながら、組織委員会理事としての経験が臨場感を持って伝えられました。橋本会長から感謝状が贈られ、米国内科学会から女性医師賞が授与されるなど、今回のオリンピック・パラリンピックでの感染対策活動の社会的意義が大きかったことが感じられました。
続いて新型コロナウイルスの世界の感染状況について、最新のデータをもとに説明しました。変異株(デルタ株)の流行状況や、ワクチン接種の効果と接種後の注意事項、現在の治療薬と重症化のリスク、また、3回目の接種についても言及しました。報道等で目や耳にすることも多いこれらの情報も、具体的なデータを用いた分かりやすい説明によって、より強く意識し今後の感染対策に活かすことができるのではないでしょうか。ワクチン接種で予防が可能な様々な病気についても触れています。
講演後には質疑応答が行われ、様々な立場の方から続々と質問が寄せられました。矢野教授は質問の一つ一つに丁寧に応答していました。ご参加いただいた皆様には、大変有意義な1時間となったのではないでしょうか。
東京赤坂キャンパスの市民公開講座は今後も感染対策に万全を期しながら開催し、新型コロナウイルス関連だけではなく、高齢者の心身の健康など様々な課題を取り上げます。皆様のご参加をお待ちいたしております。
会場となったE棟講堂の様子 |
講演する矢野晴美 教授 |
市民公開講座は、医療福祉の専門家が安心できる暮らしのヒントをわかりやすくお伝えする、一般の方向けの公開講座です。