10月23日(土)、東京赤坂キャンパスで市民公開講座「アフターコロナの高齢者の心身の健康のために」が開催されました
東京赤坂キャンパス市民公開講座の2021年度第3回が、10月23日(土)午後、感染対策のため定員を大幅に減らしたうえで、E棟講堂を会場に行われました
今回は心理学科・大学院臨床心理学専攻の和田 秀樹 教授が、「アフターコロナの高齢者の心身の健康のために」と題して講演いたしました。老年精神科医として、またアンチエイジングドクターとしての経験も豊富な和田教授が、コロナ感染がある程度落ち着いた今、高齢者が自粛生活で衰えた体の機能を取り戻し、心身の健康を保っていくには、さらには年齢よりも若い状態でいられるにはどうしたらよいのか、について話しました。
最初に、コロナ禍での長い自粛生活における問題点を取り上げました。どんな医療行為にも副作用があり、それを伝えて被害を最小限にすべきで、自粛要請も医療行為と捉えれば、その副作用であるフレイルにならないための対策をとることが重要です。年をとればとるほど体を使わないことの悪影響が大きくなるので、フレイルの予防のためには、感染が落ち着き次第体を動かし、人との会話も積極的にしたほうがよいとのことです。
またコロナ鬱の問題についても触れ、ワクチン接種を終え感染が落ち着いたらアクティブに生きることを勧めていました。
続いて「老年医学の本当と嘘」として、旧来型医学の発想はそのまま高齢者には当てはまらないことや、精神神経免疫学などによると心にいいことが体にいいことであり、頭を使うと寿命が延び、生涯現役を推進することで高齢者の医療費を減らすことにつながると話しました。
最後に感情の老化予防と鬱にならない生き方についてです。人は感情から老化するもので、感情の老化が知能の老化と体の老化を引き起こすとして、感情の老化とどう戦うかについて考えました。また鬱は老化を早めるということで、鬱になりにくいものの考え方を身に付けることが必要だと話しました。終わりに「いつまでも若々しくいるための5か条」を挙げて、講演を締めくくりました。
時折時事的な話題や冗談を挟みながらのユーモアたっぷりの講演で、会場も笑いに包まれていました。終了後のアンケートでもご参加いただいた皆様の満足度の高さが見て取れました。
会場となったE棟講堂の様子 |
講演する和田秀樹 教授 |
次回は11月27日(土)に、小平めぐみ准教授が「家族・地域で取り組む認知症ケア~そのために知っておきたい知識」のテーマで講演いたします。皆様のご参加をお待ちいたしております。
市民公開講座は、医療福祉の専門家が安心できる暮らしのヒントをわかりやすくお伝えする、一般の方向けの公開講座です。